自信のない子どもについて ▶6歳女児のお母様より

Q

娘は今春、小学校への入学を楽しみにしています。発達は平均的に育っていると私は思うのですが、娘はマイペースで、何をするのも時間がかかります。そのことを気にしているのかもしれませんが「私はできない」ということが多く、泣くこともあります。「できないならママが手伝ってあげる」とか「あなたはこんなことが上手にできるじゃない」と声をかけたり褒めたりするのですが「歌がうまく歌えない」「字が書けない」「ご飯を食べるのがみんなより遅い」などと言っていて、自信が持てないようです。
もうすぐ小学校へ通うのに、このままでは困ります。どうしたらいいのでしょうか。

A

:小学校への入学を間近に控えて、楽しみも大きい分、親子で緊張なさっているのですね。あまりご心配なさらずに、のんびりと今を楽しまれることです。
:お子さんは、発達は平均的に育っていると思う、とおっしゃっていますが。
:とてもしっかりされているお母さまだと思います。お子さんの身体や情緒や知的な力や社会性が、一番身近にいるお母さまから見て、育っていると思われるのでしたら、それこそ、おおらかに見守ることが一番です。
:お子さんはマイペースで、何をするのも時間がかかり、そのことを気にしていて泣くこともあるようです。
:気にされているのは、むしろお母さまのほうかもしれませんね。小学生になるのだからと、心配して励ましたり、わかっているのに褒めたりすることで、子どもはかえって追い込まれた気持ちになってしまうことがありますから。
:お子さんが、歌がうまく歌えない、字が書けないなどと言うそうですが。
:「歌が上手に歌えない人なんていっぱいいるし、上手じゃなくても楽しめばいいのだから大丈夫よ」
「お母さんも音痴だから似ちゃったのかしらね」
「字は練習するからだんだん上手にかけるようになるのよ。みんな始めはうまく書けないから学校でお勉強するのよ」
などと声をかけることです。
:ご飯を食べることが遅いことも気にしている様子ですが。
:「ゆっくり食べる人は、よく味わう人なのだから、何も困ったことはないのよ。もし遅くて食べきれない時は、残したって良いのだから、大丈夫」
と、お子さんが楽しいことだけを考えられるように、解放させてあげてください。
:お母さまはこのままでは困るとお思いの様子ですが。
:少しも困ることなどありませんね。マイペースでおっとりとしたお子さんを、おおらかに見守っていらっしゃることです。お母さま自身が焦らないことが決めてです。お母さまの焦りが伝わっているのかもしれません。
「小学校へ行ったら、きっとみんながあなたのことを好きになるわね」なんて話しながら、楽しみに過ごされるといいでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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