年少組に通う娘が、爪を噛むようになって困っています。なぜ噛むのかと私が聞くと「園の友達がかんでいるから」と言います。園の先生に聞くとやはり、爪を噛んでいる子がいるそうで、娘も癖になってしまったのではないかと思います。先生には、その子と席を離してもらうようにお願いしました。
私が「格好が良くないからやめなさい」と娘に言うとその時はやめるものの、また少しすると噛んでいます。どうしたらいいのでしょうか。
M:爪かみは指しゃぶりとよく似ています。日本の調査では、3歳児の4.2%がしていると言われています。また、その持続時間は、2年間くらいと言われていますので、あまり焦らなくてもいいのではないかと思います。
T:お子さんにどうして爪を噛むのかと聞いたそうです。
M:そのような質問にきちんと答えられるお子さんはあまりいないと思います。「友達が爪を噛んでいるから」と答えたそうですから、とても賢いお子さんだと思います。
T:園の先生には、爪を噛む子と席を離してもらうようにお願いしたようです。
M:きっと先生も、お母さまと同じように、爪を噛み始めたお子さんを気にかけているでしょうから、それは構わないと思います。ただ、お母さまがあまりに神経質になるのはかえってよくありません。
T:「格好が良くないからやめなさい」と言うとその時にはやめるそうです。
M:爪かみも指しゃぶりも、子どもが自分の情緒を安定させるためにする行為です。恰好が良いものなどはありません。子どもが成長するにつれて、鉛筆噛みや鼻ほじり、指のささくれむしりや髪の毛先噛み、髪の毛を抜くといった行為が見られることもあります。
大人でも子どもでも、人は大概そんな何かをしているものです。お母さまがとても気になって、イライラしてしまうお気持ちもよくわかりますが、気にし過ぎると他のかたちでお子さんの情緒が乱れることもあります。
T:どうしたらやめられるのでしょうか。
M:決して焦らないことです。そして、どんな時にお子さんが爪を噛むのかよく観察することです。お子さんが爪を噛んでいたら
「あら、美味しいの?指まで食べてしまわないでね。痛いから」
などと話しかけながら、お子さんの気持ちをそらしてあげることです。夢中になるものがあったり、成長とともに気持ちを充実させるものが見つかったりすると、自然に消えていきます。お母さまは、気持ちをそらせた後に、何かお子さんの心を引くことをしたり、言葉かけをしたりなさるとよいでしょう。
爪噛みは、健康に害はなく、取り立てて不潔なものでもありません。実害はゼロだとお医者様も言いきっているものなので、気にしすぎないように見守っていると、そのうち消えていくと思います。