すぐに癇癪を起こす子どもについて ▶4歳男児のお母様より

Q

息子はとても元気な男の子です。元気なことは良いのですが、とても短気で困っています。特に、思うようにならない事があると、すぐに癇癪を起します。
例えば、紙飛行機が上手に折れない時には、怒って折り紙を丸めてしまったり、ボールが打てない時には、バットを投げて怒ったりします。かけっこに負けてしまった時には「もうやらない!」とふてくされてしまいます。
どうにか、この癇癪が直らないものかと思っているのですが、どうしたらいいのでしょうか。

A

:性格の問題ですから、これは受け入れて上手に付き合うことが一番だと思います。こういった感受性の強いお子さんは、行動力や想像力があり、良い意味の可能性を持っていることが多いので、そんな良い面をみることで、お母さまもゆとりが持てるのではないのでしょうか。
: 園でも思うように工作ができなかったり、リレーで負けてしまったりして、大泣きをするお子さんがよくいます。
:やりたいことが思い通りに行かなかった時に、自分で感情の処理ができなくなっている子どもの姿ですから、周りの大人はその現象に巻き込まれない事が大切だと思います。
: 飛行機が上手に折れない時には、怒って折り紙を丸めてしまうということですが。
:「あら。○○君が、慌てたので紙飛行機が墜落しちゃいました~」
といったように、大騒ぎせず、余裕を持った言葉掛けをすることです。その後は、泣いても放っておくといいでしょう。
: ボールが打てない時には、バットを投げて怒るそうです。
:そんな時も、やはり落ち着いて
「あら残念。ボールはバットがないと打てません。今日はこれでおしまいです」
と、無理に続けて欲しいなどとは思わずに、さっさとやめてしまう。そんなさっぱりとした対応に、お子さん自身が、むきになることの虚しさに気付くことも出てくると思います。
: かけっこに負けてしまった時には「もうやらない!」とふてくされてしまうそうです。
:「ハイ。じゃ、○○君は負けるのがカッコ悪いと思ってやめちゃいました」
「負けるとやめちゃう子は、次からは一緒に走れません。こちらで座って見ていて下さい」
と言って、本当にやらせないでおくことです。
けれども「勝ちたかったんだ」という気持ちはわかるので、叱らないでいてあげることです。
: 今後、どのように関わっていったらいいのでしょうか。
:短気であることや、癇癪を起こすことは、決して悪いだけのことではありません。ただ、園でお友達と一緒に過ごすためには、その葛藤を克服していかなくてはなりません。葛藤と克服を繰り返しながら、自己制御力も身につけてくるのですから。
お母さまの関わりとして大事なことは、やりたかった・勝ちたかったお子さんの気持ちを優しく受容しながら“こうしたやり方では遊びが次へは続けない”“やりたいことがいつも途中で終わってしまう”“楽しく遊ぶことはいつまでたってもできない”“お友達が一緒に遊ぶことを嫌がってしまう”というようなことを、徐々に気付かせてあげることです。お母さまが、一緒にイライラしたり巻き込まれたりしないで、お子さんの癇癪を笑ってしまうくらいの余裕を持つことが必要になるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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