運動会などをやりたくなさそうな子どもについて ▶4歳男児のお母様より

Q

息子は年中組に通っています。運動会やお遊戯会などで、クラスのお友達と一緒に活動する機会が増え、親である私にとっては、毎回とても楽しみです。けれども、息子はそうでもなさそうなのです。本番の緊張感のせいなのか、楽しそうではなく、常にダラダラとしていて、やる気が感じられません。
先生に話を聞いてみると、やる気になる時とならない時があるそうで、その都度、声をかけて下さっているそうです。周りの子ども達は、みんな頑張っているなか、我が子の態度が気になります。

A

:4歳くらいになって、自分の興味や関心がぴったりしないと、やる気にならないお子さんは多くいます。
: お子さんが楽しそうではないとのことですが。
:きっとあまり興味がないのでしょうね。興味関心は、子どもみんなが共通であるとは限りません。
『運動会とはこういうもの』という一般的な通念があり、先生やお母さま方はそれを期待するのでしょうが、子ども一人一人が、主体的に喜んでやっているかというと、そうでもないことがいくらでもあります。
一時、こうした一方的な受け身の活動が、厳しく否定された時期がありました。行事保育をすべてなくして、日常の保育のみにすることが望ましいと、研究者達が主張したのです。
けれども、子ども達の生活に刺激を与え、活動を豊かに広げることにつながることも認められ、今では運動会やお遊戯会といった行事保育が、保育の現場に、盛んに戻ってきています。
しかしながら、どちらも大人の側からの視点が強く、子どものやる気が論じられるとしたら、少々問題があるのかもしれません。
: やる気になる時とならない時があるそうですが。
:それは、子どもの自然な姿でしょう。我が子が興味を持つものがどんなものか、それを見守りながら、今の姿を受容することも大切です。子どもは、お母さまや先生のそうした姿勢により、自分が受容されている安心感の中で、生活の節目や行事などを過ごしていくことでしょう。
: 周りの子ども達は、みんな頑張っているなか、お子さんの態度が気になってしまうようです。
:周りの子ども達がみんな頑張っていると思われるのは、ご自分のお子さんの態度が気になるあまり、そう見えてしまうのでしょう。大なり小なり子どもは、夢中になれる時と、そうでない時があるものです。
あまり気に病まずに、笑顔でお子さんを励ましていれば、きっといつかお子さんにも、打ち込めるものが見つかる時が来るでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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