就学前に指しゃぶりをするようになった子どもについて ▶6歳女児のお母様より

Q

まもなく就学を迎える娘は、生まれてから今まで、大きな心配ごともなく、すくすくと育ってきました。けれども、最近突然、娘が指しゃぶりを始めたため、驚いています。気がついた時に、おそらく私はとてもビックリした顔をしてしまったと思います。私の顔を見て、娘は慌てて指しゃぶりをやめました。私は思わず「どうして指をしゃぶるの?赤ちゃんみたいでしょ?」と言ってしまいました。それからも、娘は、指しゃぶりをして、私と目が合うとやめることを繰り返しています。あと数カ月で小学校へ入学するのに、どうしたらいいのかと困っています。

A

:賢くて良いお子さんだと、周りから認められながら、すくすくと育ってきたお子さんなのでしょう。小学校入学を控え、大変な緊張を抑えるために無意識にしている姿ですね。
:就学を前に、その指しゃぶりが始まったようです。
:指しゃぶりは、子どもが自分で自分の情緒を安定させるためにしている仕草ですから、それほど心配なことではありません。お母さまが「ああこの子は、今緊張しているのだな」と思って対応することで、自然にお子さんへの心に寄り添い、緊張を和らげる方法が分かってくるでしょう。
:お母さまは、指しゃぶりを見た時、ビックリした顔をして「どうして指をしゃぶるの?赤ちゃんみたいでしょ?」と言ってしまったそうですが。
:今まで、何の心配もなく育ってきたお子さんでしたら、お母さまの驚きも自然な事でしょう。そのような言い方をしてしまったことも、無理はないと思います。言ってしまったことを気にせず、お子さんの今の気持ちを正しく理解するように努めることで、ひとつの過程として問題なく消えていくでしょう。
:今も指しゃぶりは続いていて、お母さまと目が合うとやめるようです。
:お子さんは、指しゃぶりを無意識にしているので、誰かに見られたり、何かのきっかけで自分が気付いたりした時、自分のやっている事が、他の人から見た時に、変だとわかって慌ててやめるのです。いじらしい程、頑張っている姿なのです。
:どうしたらいいのか困っています、とのことですが。
:先ずは、お子さんが周囲の期待にこたえなければならない、小学校で良い子でいなければならない、という緊張や不安を、取り除いてあげることです。『一年生になったら』の歌でも歌いながら、
「小学校って楽しいところよ。大きくなったから行く事ができるところで、たくさん面白いことが待っているわよ」
「日本中の子ども達が、みんな6歳になったら、小学校に行くでしょう?だから、お勉強だって難しいことなんて、何にもないの」
「○○ちゃんみたいな子、先生もお友達もみんな待っているわよ。お友達になりたいなって、きっとみんな思うでしょうね。お母さんが、小学校1年生だったら、○○ちゃんみたいな子と遊びたいもの」
「お母さん、○○ちゃんのランドセルの姿、いっぱい写真に撮っておくからね」
などと、希望にあふれた言葉かけをし、できないことや、きちんとして欲しい事などの注文を、意識的に一切しないことです。そうすると、お子さんもお母さま自身も気持ちが楽になって、いつの間にか指しゃぶりもなくなっているでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
Copyright(c) Yamanashi Gakuin University. All rights reserved.