かわいらしさを笑うと怒る子どもについて ▶4歳 男児のお母様より

Q

年少組に通う息子は、とても元気で、わんぱくです。
元気なのは良いのですが、最近、よく怒ることが気になっています。例えば、かわいい仕草をした時や、歌に合わせて上手にダンスをする息子を、大人が笑うと「どうして笑うの!?」とひどく怒るのです。決してバカにしたわけではなく、あなたがかわいいから笑っただけと説明しても、息子には分からないようです。我が子は、キレやすい子なのでしょうか。

A

:3歳から4歳にかけての成長の証のようなお話ですね。
お子さんに自意識が芽生え、周りの大人達が、いつまでも自分を赤ちゃん扱いすることに我慢ならなくなってきたのでしょうね。反抗期といわれる状態が始まったのだと思います。
: かわいい仕草をした時など、笑っただけで怒るそうですが。
:大人にとっては、子どもの愛らしい姿は、本当に微笑ましいものです。けれども、自分が大きくなったと気付きはじめたお子さんには、ただかわいいという目線で見られることが、腹立たしくてしかたがないのでしょう。たいへん頼もしいお子さんです。
: かわいいから笑っただけと説明しても、分からないようですが。
:一人前に扱われたい、子ども扱いされたくないと思っているお子さんの気持ちを理解していない対応ですから、お子さんがさらにいら立つ結果になってしまうのでしょう。
: どのような対応をしたら良いのでしょうか。
:「ステキ」とか「かっこいい」とか「勇ましい」というような大人にも使う言葉で表現するということだけで済むと思います。子どもをかわいくて仕方がないと思う心情に、反抗しているのではなく、なんとかして一人前に扱ってほしいという欲求ですから、プライドを傷つけない対応が大切だと思います。
例えば「○○ちゃん」という呼び方でなく、姓で「○○さん」と呼ばれたり、「どこからいらっしゃったの?」と聞かれたりしただけでも、一人前に扱われたと思って、その人に敬意を抱いたり好きになったりするくらいですから。
: 我が子はキレやすい子なのでしょうか、とのことですが。
:『キレる』という言葉は『我慢できない、自分が抑えられない』という状況をいう言葉として、最近よく使われるようになりましたが、そう簡単に決めつけて、心配することはないでしょう。
たいていの大人は、自分の方が正しいと思い、心配しがちですが、子どもの側に立って考えてみると、イライラしたり反抗したりする理由が見えてきます。なぜ怒るのか、しっかり考えてあげると、子どもの成長の姿がつかめて、かえって新しい喜びを知ることができるようになるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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