運動が不得意でケガの多い子ども ▶4歳女児のお母様より

Q

年中組に通う娘は、親の私から見て発達的にスムースに育っているようです。ただ、体を動かす遊びをあまり好みません。運動遊びの経験があまりないせいなのか、日頃からケガばかりしていることが気になっています。娘は、段差も何もないところで転んだり、歩いていて物にぶつかったりします。注意力がないのかなとも思います。
そろそろ運動会のシーズンを迎えるので心配です。ケガは困るけれど、運動会に参加させないわけにもいきません。どうしたら、娘はケガをしなくなるのでしょうか。

A

:運動の不得意なお子さんのお話を伺うと、幼いころの自分のことを思い出してしまいます。
:娘さんは、運動遊びをすることが少ないようです。
:運動能力や運動神経というものは生まれ持ったもので、生涯に渡って続いていくものです。ある程度の変化は期待できても、限界がありますから、運動以外のことで自信を付けさせてあげた方が良いと思います。園には、こういったお子さんはよくいますよね。
:います。公園などで遊ぶ経験が少ないのか、ジャングルジムに登るのは、園庭が初めてだというお子さんの話もよく聞きます。そういうお子さんは、ちょっとした段差で転んだり、ぶつかったりして、ケガをすることが多いようです。
:年中組ということなので、まだ体力そのものがあまりないのでしょう。また、何か他のことに夢中になっているということも考えられます。
ただ、園の先生は、そのようなお子さんの個性をわかっていて、上手に配慮してサポートしていると思います。ですから、転んでも骨折などの大きなケガになっていないのでしょう。
:運動会のシーズンになるので、特にご心配のようです。
:幼児期の運動会は、誰でもできるような内容になっているはずですから、特別なご心配はいらないでしょう。もし、転んでケガをしたとしても、その中で、学ぶこともあるはずです。
ですから、お子さんには当日まで、運動会を楽しみにできるような言葉がけをしていくとよいでしょう。
:どのような言葉がけをしたらいいのでしょうか。
:「運動会のお遊戯はどんなことをするの?」
「どんなゲームをするの?」
など、話を聞きながら、お子さんの楽しい想像を広げていけるよう工夫するのです。お子さん自身が、話しながらイメージをすることで、お遊戯などのリズムがとりやすくなるでしょう。
もし、かけっこに自信がないと言った時にも
「あなたが一生懸命走れるかなって、お母さん見ているわ」
「最後まであきらめないで走ったら、きっとみんなあなたのことを立派だなぁって思うわよ」
というように、すべて肯定的・向日的に語り掛けることが大事です。
:どうしたら、ケガをしなくなりますかとのことですが。
:ケガをしなくなる方法は何とも言えませんが、運動が楽しくなるような体力をつけるためには、基本的生活習慣の充実しかないと思います。
朝は、ご飯をきちんと食べさせて、昼までの活動のための体力を持たせるようにすることです。食事はもちろん、お風呂や就寝などの生活のリズムを整えることが一番の近道だと思います。
そして、体にあった靴を正しく履く習慣を付け、歩く時には、他のことに気を取られないように「足元を見ないで歩くと危ないわよ」など、ちょっとした言葉かけを心がけることもいいでしょう。
さらに、テレビなどで、お子さんができるような幼児向けの体操がありますから、お母さまと一緒に、遊びの感覚でやってみるのもよいでしょう。お子さんの負担になりすぎない範囲で、繰り返していくうちに、気が付くと体力がついて、あまり転ばなくなっていくと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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