性への関心が強い子どもへの対応について ▶4歳男児のお母様より

Q

我が子は最近、体のことに興味があるらしく、なぜお母さんはおまたに毛があるの?とか、どうしておっぱいがあるの?などと私に聞いてきます。また、私のお尻の匂いを嗅ぎたがったり、ふざけてお友達とお尻の匂いを嗅ぎ合っているのを目にしました。お尻にはバイ菌がいるからそんなことしちゃダメよと注意しましたが、今後どのような対応をしたら良いでしょうか。

A

:こうした性に関する問題は親にとっては実にやっかいで対応しにくいことですよね。あまり露骨だと、これは異常なのではないかと心配になることもあるかと思います。ただ、4歳のお子さんの興味や関心というものは、本当に他愛なく自然です。探究心が強くて賢いお子さんである証拠だと捉えて、たじろがず平然と答えてあげることがポイントでしょうね。
例えば「大人になるといろんなお仕事があって体を動かさなければいけないから、肌と肌が擦れると痛くなるので、それを守るために腕と体の間や足と体の間に肌を守るための毛があるのよ、これは大人の証拠なのよ」と答えたり、「まだごはんを食べる事のできない赤ちゃんのためにお母さんにはおっぱいがあるのよ」と答えればいいわけです。あまり歪めたり、こだわったりしないで人間の体の不思議と大切さをきちんと伝えると、意外と子どもは「あぁそうなのか」で済んでしまうことがありますよね。
:ご相談には、お尻の匂いのお話しもありましたが。
:例えば、お尻の匂いを嗅がせてと言われたら「人の体には、赤ちゃんが生まれてくる所や、体の中の要らなくなったものを出すところがあって、そんな無くてはならない大切な所を守るために『酸』という薬のようなものがでるようになっているの。とても酸っぱいもので、バイキンをやっつける力があるのよ。赤ちゃんが無事に産まれてくることができるのも、それがあるかおかげなの。でも、ちょっと油断して清潔にしておかないと、変な匂いがしてきたりするの。お尻の匂いを嗅がせてなんて言うのは、それを大事にしていなかったり、あなたはあんまりお風呂に入らないのかと聞くのと同じで、失礼だから言わない方が良いわね」程度にサラリと真剣に答えてあげるといいと思います。子どもは分かってしまうと、それ以上興味を持たなくなるはずなんです。お友達とふざけ合ってそんなことをしている時も「そんなことしちゃいけないのよ。体のどんな部分もそれぞれの役割があってみんなきれいに大事に保っておかなければいけないものなの。特にあなた達のような大切な人が生まれてくるような所は、一番大切なんですよ。見せ合ったり嗅ぎあったりするなんて、お行儀の良いことではないってお母さん思うわ」と叱りつける感じではなく言うと良いと思います。もちろん、実際にお母さまが注意なさったように衛生的な事もとても大事ですが、性に関する体の問題を子どもと語り合う時に一番大切なことは、自分が生まれてきたことや、心も体も自分自身を尊ぶことと結びつけて話す事だと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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